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英国王のスピーチ

eikokuou.jpg監督:トム・フーパー
出演:コリンファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーターほか
公開中→「英国王のスピーチ」

《あらすじ》 子供のころから吃音がコンプレックスだったジョージ。彼は英国王の二男(現エリザベス女王のお父さん)。スピーチをしなくてはならない場面が多い立場なだけに、こっそり治そうとはしてきたものの、なかなか効果があがらない。妻が捜したドクターローグの一風変わった治療で少しだけ光が差し込んだと思った矢先、周囲の状況が予想外に厳しいものへと変化していき…


障害に限らず、何らかのコンプレックスをもつ人であれば共感応援必至の作品。第二次大戦を目前にしてのスピーチの必要性という時代背景はあるものの、あくまでジョージ6世と彼を取り巻く人間との交流メイン。大作でなく小じんまり。アカデミーで期待高めてしまうとけっこう地味に感じられる。


たぶん誰でもコンプレックスはできるだけ刺激されたくないし、忘れて暮らしていたいくらいなのに、この主人公ジョージはそれを全国民に披露しなきゃならない。想像しただけで国外に逃げたい気持ちになるだろうと!なぜに逃げるのがジョージじゃないのかと!
私には向いてないんだよと泣くジョージにもらい泣きしそうに。気軽に頑張れなんて言えん。

そんな彼を観客として見守って、ラストのクライマックスではもう、親バカなママ気分。とにかく必死の姿を観てるだけで胸いっぱい。

正面から自身の症状と向き合ってる姿を描くも、辛くて苦しいのよう…ってむやみやたらと訴えるわけでなく、意外にも全編軽妙なセリフだったりして笑える場面も多い。出演してる俳優さんも皆巧いし作品の作りも巧いなあ~。
 

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キッズ・オールライト

kids.jpg監督:リサ・チョロデンコ
出演:アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ミア・ワシコウスカ、ジョシュ・ハッチャーソンほか
2011.4.29よりロードショー
公式サイト→「キッズ・オールライト」

《あらすじ》 レズビアンの夫婦。彼女たちは精子バンクを利用して一人ずつ子供を産み、育てている。長女は18歳、長男は15歳。長男は遺伝子上の実の父に会いたいと言いだし、それをきっかけに家族の姿が変わっていくのだが…


日本ではなかなか見られない家族構成。アメリカでも珍しいほうなんじゃないかと。
でも変わっているのは家族構成だけで、描かれているのは家族愛という普遍的なものだった。

実の父親が絡んできたことで、夫婦仲もうまく回らなくなったり、あるいは父親に子供たちがなついていくのがおもしろくなかったり、とこじれていく。
でも彼女たちは家族に常に正面からぶつかって、わかりあおうと努力する。恥ずかしいだのめんどくさいだので済ませず、ちゃんと向き合おうとするって大事よね、と改めて教えられた気がします。

子供だとばかり思ってた二人も、いつの間にか逆に両親を心配するような大人になっていた。嬉しいような寂しいような。二人の喜ばしい成長は、両親である彼女たちの努力と愛の結晶ですね。家族ってのは血のつながりだけとか性別とかで出来上がるもんじゃあないのかもしれん~。

しかし遺伝子パパのポールは結局この家族に振り回されて、かわいそうな扱いだった。自分の好きにしてきた結果っちゃあそうなのか。なんか個人的に考えさせられる。

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ミリオンズ

milionzu.jpg監督:ダニー・ボイル
出演:アレックス・エテル、ルイス・マクギボン、ジェームズ・ネスビットほか
公式サイト→「ミリオンズ」

《あらすじ》 小学生のダミアンは、お兄ちゃんのアンソニーと、パパとの三人家族。ママは亡くなってしまった。新たな出発に引っ越した先で、ダミアンは神様の贈り物=大金を拾う。おりしもポンドがユーロにあと二週間で切り替わる。このまま置いておいたらただの紙くずになってしまう。それなら有意義に使おうとするダミアンとアンソニー。しかし彼らの周りをうろつくアヤシイ人間も現れて…


可愛いなあ。お金の価値なんてこの年のくらいだと、実感でわかんなかったような。
だもんでお金よりも人間何が大事なんだろうと逆に子供に教えられるような、心洗われる映画でした。

おかしいな。自分にもこんな時代があったはずなんだけど。百万あったらハンバーグを腹いっぱい食べると言ってた時代があった。昔ね。
遠い日の花火か…?

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告発

kokuhatu.jpg監督:マーク・ロッコ
出演:ケヴィン・ベーコン、クリスチャン・スレーター、ゲイリー・オールドマンほか
告発 - goo 映画

《あらすじ》 1930年代。アルカトラズ刑務所内で殺人事件が起きる。その犯人であるヘンリーを弁護することになったのが、新米弁護士ジェームズだ。裁判にむけての面会を繰り返す二人。その間徐々に明かされていく刑務所内の実態は…


アルカトラズ刑務所を閉鎖に追い込んだ実話を描いた作品。
三年にもわたり光を遮断された独房に入れられて、人間性を奪われてしまったヘンリーを見事にケヴィン・ベーコンが演じきっている。

完全に狂気にいたらなかったのが不思議なくらい。心理学の実験で昼夜のわからない状態で個室にずっと暮らす、というものがあったらしいが、4日目で妄想や幻覚を覚え始め、解放されてからも戻るまで時間を有したとか。人間は社会的な生き物だ。
それが3年!

裁判で勝つことより何より彼が求めたのは人とのつながりだった。その無欲さが哀しすぎる。
最後完全に報われたとはいいにくい。でも映画のように尊厳を取り戻せたのなら幸いだった。のかな?わからないよ。一度希望を抱いた後にそれを奪われるのは、苦しさが増したりはしないのか。どうなのだろう…。

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エリックを探して

erikku.jpg監督:ケン・ローチ
出演:エリック・カントナ、スティーブ・エヴェッツ、ステファニー・ビショップほか
公開中→「エリックを探して」公式サイト

《あらすじ》 さえない中年男のエリック。郵便配達をしている彼は、逃げた妻の連れ子二人と暮らしており、外には一人目の別れた妻との間に娘、孫もいる。家では反抗期の息子たちに侮られ、娘には別れた妻と会うことを頼まれて、自分の居場所から逃げ出したいくらい。憧れのサッカー選手=エリック・カントナのポスターに、息子の大麻をくすねて吸ってはぼやいていると…


イギリス映画の、しょぼくれた人が奮起するものは好きだなあ。
「麦の穂をゆらす風」でカンヌのパルムドールを受賞している監督。重苦しい社会派なイメージだったが、この映画は軽妙かつハートフルコメディ。観終わったら元気が出てくる人生讃歌だ。

(私も含め)WCの時くらいしかサッカーもチェックしないにわかは知らない選手。エリック・カントナ。マンチェスター・ユナイテッドの伝説のフォワードだそうです。
彼本人から持ち込まれた映画の企画で、何と本人もお情けどころでなく重要なポイントで出てくる役。
ホンマもんのサッカーファンにはこたえられないだろう。

実在の選手かどうかの前知識もなく観ていた私は、日本でいえばアントニオ猪木や長嶋茂雄みたいなアスリートらしい…と想像しつつ鑑賞。
ファンにとっては実際に目の前にしただけで泣きそうになる相手が、自分に助言してくれて胸のうちまで明かしちゃうんだから、ヒーローを心の中に抱いてる人なら共感して涙ぐんでしまうよ。

でもそれだけではなく、もっとばかばかしくもあったかいエリックの友人達エピソードもまたええのです。
たとえエリックが自分に自信が無くて状況がしょぼくれていても、これほどにいい友人達をもつ人物なら魅力ないわけがない。ついつい応援してしまう。
本気出せば、人生もう終わってる、なんてことないんだなあ。観て良かった。ほくほくです。

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プロフィール

HN:
藤井みつる
HP:
性別:
非公開
職業:
漫画家
趣味:
映画鑑賞と寝ることと城
自己紹介:
好きな映画
……《邦画》 太陽を盗んだ男、鬼畜、穴、切腹、キッズ・リターン、しとやかな獣、蝉しぐれ、クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲、築城せよ!、MIND GAME、ジャズ大名
……《洋画》 新しき世界、ニューシネマパラダイス、リトル・ダンサー、バベットの晩餐会、暗くなるまで待って、オールド・ボーイ、グラン・トリノ、バーバー、キリクと魔女、ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ、ペーパー・ムーン、アパートの鍵貸します、トイ・ストーリー、ブラス!、デリカテッセン、ベルヴィル・ランデブー、カイロの紫のバラ、ヘドヴィグ・アンド・アグリーインチ、死刑台のエレベーター、オーケストラ!、アンプロフェット、ゴッド・ファーザー、ユージュアルサスペクツ、ドリームガールズ、ブルース・ブラザース、バグダッド・カフェ、シザーハンズ、善き人のためのソナタ、レザホアドッグス、クール・ランニング、ぼくのエリ200歳の少女、ペテン師とサギ師~だまされてリビエラ~、アーティスト

 

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