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少年

少年

syounen.jpg監督:大島渚
出演:阿部哲夫、渡辺文雄、小山明子ほか
少年(1969) - goo 映画


当たり屋で暮らしている家族。父親は軍人上がりでろくに働こうとせず、母と少年が金を稼いでいる。そうしていると母が第三子を妊娠し、弟と両親をかかえて、少年が家計を支えていくことになるのだが…


子供の時分には他との比較対象が見つからないと、自分の家のあり方が普通だと認識して、なんの疑問も感じない。
この映画の少年もまた、当然のことなんだと当たり屋の技術も磨いていく。

世の中には、あるんだけどあえて見たくなかったことというのもありまして。
あまり知りたくなかった。だからこそ世に訴えたくて作られた映画なのかなあ。
かといって映画がつまらないわけではありません。
観終わった後なんともブルーな、悲哀と虚しさを抱えることになります。

主人公の少年を演じているのは全くの素人の子供だそうだが、信じられない。
意志の強い目と、ナチュラルなしゃべり。
本当に素人さん?!
すごすぎる。

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越前竹人形

越前竹人形

take.jpg監督:吉村公三郎
出演:若尾文子、中村玉緒、山下洵一郎ほか
1963年作品
越前竹人形(1963) - goo 映画

竹細工で生計をたてている喜助。亡くなった父の馴染みの遊女が訪ねてきてから、喜助は彼女が気になって仕方無い。幾度かその遊郭へ訪ねて行くと、彼女は近々見受けされるのではないかという噂。喜助は必死に金を工面する。彼女も喜助の真心にうたれて喜助のところへやってくるのだが…

初めて喜助の所に訪ねてきた若尾文子が、そのまま隣室で機でも織り始めて恩返ししていくんじゃないか。
そう思ってしまうような、妖精のようなきれいさ。
顔のフォルムがきれいな卵型で、品良くまとまってる中に小悪魔のような色気があって、なんともいえん魅力がある。日本人にぐっとくる。

田舎で竹をいじって真面目に暮らしてた喜助は、そりゃあくらっときちゃうよね。

しかし真面目すぎて朴念仁なだけに、人形でなく、人間である若尾=玉枝は疑問を感じてしまうのは当たり前。

おとぎ話のめでたしめでたし、の後を観るようで少しわびしい。

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夜の河

夜の河

yoru.jpg監督:吉村公三郎
出演:山本富士子、上原謙、小野道子ほか
夜の河(1956) - goo 映画

京都の染物屋。世間は洋装の波がやってきており経営も将来不安な状態。しかしそこの長女、きわ、は染物の腕もさることながら、店を新しく展開していく才気も兼ね備えた娘だった。そんな彼女がある日大学教授と出会う。なぜか激しく惹かれていくきわ。


とにかく何がって、山本富士子。
最初から最後まで山本富士子!

現代の女性がみてもかっこいいと思う女性像だと思う。
そしてそんな女性でも恋におちてしまうと毅然としていられなくなる。
告白シーンがなんと。逆光でまったく!表情が見えません。
そこがまた悩ましいというなんちゅう表現。

ぴしーっとした山本富士子。
ときたまよろめいてしなだれる山本富士子。
もろ肌脱いで髪をくしけずる山本富士子。
情熱的に求める山本富士子。
充実した二の腕の肉感の、まあ、なんとやらしい。
そして美しい。

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レボリューショナリー・ロード

レボリューショナリー・ロード

rebo.jpg監督:サム・メンデス
出演:ケイト・ウィンスレット、レオナルド・ディカプリオ、キャシー・ベイツ
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで - goo 映画

郊外の若夫婦。彼らは美しく、教養もあり、子どもにめぐまれ、はたからみれば何不自由ない幸福な生活にみえた。しかし人間として心からの充足とはなんなのか?

先日アシスタントさんが「幸せってなんなんですかね」とぼそっと言いました。
いやいや、あんたまだまだ若いのになにを??!とその時には笑ったが。
この映画はまさにそこを突いてくる。

一言でまとめちゃうと自分探しに奔走する妻と現実に目覚めていく夫の話。
そういうことは中学校くらいのとき考えたなあ。そんなセリフが満載。
逆にそうでなければ若くないし、根拠のない勢いやパワーも無くなってしまうわけで、このバランスをどうとっていいものやら。
妻側、夫側、両方の気持ちがいやでもわかってしまう。

ともかくこの映画をみて結婚したい!!とは絶対思わない。




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千羽鶴

千羽鶴

監督:吉村公三郎
出演:小暮実千代、杉村春子、乙羽信子ほか
1953年作品
千羽鶴(1953)(1953) - goo 映画

三谷は亡き父の愛人、ちか子のお茶会に出席する。実は仕組まれたお見合いだった。しかしそのお茶会には、父の愛人2号とその娘も出席していた。愛人2号は父の面影を三谷に見てぐいぐい接近してくるのだが…

原作川端康成、脚本新藤兼人、撮影宮川一夫。ゴウジャス。

それにしても、冒頭のお茶会からすでに小心者の私としては胃がギリギリしそうないやあな空気。
ああ、女の情念が恐ろしい。
湿度の高い暗い部屋で、妙な汗でシャツが張り付いてるような気分です。
激しいことはしでかさないのですけれども、父の愛人2号=小暮実千代に迫られる恐怖。
嵐の夜、ずぶぬれで立つ愛人=杉村春子!
さらに形見と言って口紅の残る茶碗を渡される。

ぎゃ~~~~~~~!!いやや。こわいよ!ホラーだ!

吉村監督は女性を描くのに定評があるそうです。
たしかに、愛人2号の娘=乙羽信子はおとなしく礼節のある娘。彼女はほのかに三谷に恋心を抱いており、玄関口に三谷を迎えに急ぐ際、着物の袖がふすまに挟まったのを乱暴に引き抜くそのしぐさ。
心がはやってるのがよくわかる。
しびれるなあ。

後年同じ原作で増村保造監督が製作しています。ぐんと強烈だそうです。
何しろ若尾文子と京マチコ。そちらも面白そうで気になります。
京マチコ一人でかなり濃いのに、三谷役が私の大好きな平幹二郎。
そこまで濃くしていいのかと逆に心配になってしまうのです。

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プロフィール

HN:
藤井みつる
HP:
性別:
非公開
職業:
漫画家
趣味:
映画鑑賞と寝ることと城
自己紹介:
好きな映画
……《邦画》 太陽を盗んだ男、鬼畜、穴、切腹、キッズ・リターン、しとやかな獣、蝉しぐれ、クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲、築城せよ!、MIND GAME、ジャズ大名
……《洋画》 新しき世界、ニューシネマパラダイス、リトル・ダンサー、バベットの晩餐会、暗くなるまで待って、オールド・ボーイ、グラン・トリノ、バーバー、キリクと魔女、ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ、ペーパー・ムーン、アパートの鍵貸します、トイ・ストーリー、ブラス!、デリカテッセン、ベルヴィル・ランデブー、カイロの紫のバラ、ヘドヴィグ・アンド・アグリーインチ、死刑台のエレベーター、オーケストラ!、アンプロフェット、ゴッド・ファーザー、ユージュアルサスペクツ、ドリームガールズ、ブルース・ブラザース、バグダッド・カフェ、シザーハンズ、善き人のためのソナタ、レザホアドッグス、クール・ランニング、ぼくのエリ200歳の少女、ペテン師とサギ師~だまされてリビエラ~、アーティスト

 

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