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貴族の階段

貴族の階段

監督:吉村公三郎
出演:森雅之、細川ちか子、金田一敦子
1959年作品
貴族の階段(1959) - goo 映画

享楽的な生活を送っている貴族。軍国主義に向かおうとしている中央を尻目に、彼らは色恋に身をやつしている。そのはじまりが父が息子の婚約者に手をつけたことなのだが、それを知らず息子は軍国主義に魅せられて…。


日本が戦争に走るきっかけともいえる、2.26事件。いわばその前夜といった作品。
不穏な空気を見ても親たちは気にせずこれまで通りの暮らしを望み、子どもたちは敏感に察知して暗く不安な思いに包まれている。
タイトルの階段から転落するのははじめは馬鹿にされてる軍人だったのだが。

貴族の儚さへの憧れとねたみがある?
太宰治の「斜陽」は1947年。
こちらは武田泰淳の「貴族の階段」。
エレガントというよりか享楽への嫌悪感みたいなものを感じます。
そういや太宰の「ヴィヨンの妻」映画公開これからなのです。
気になる。

最近観るドラマや映画がほとんど新藤兼人が脚本を書いている。どんだけ仕事してるんだ???!!!
おそろしや。
それがほとんど外れナシなのだからすごすぎる。

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西陣の姉妹

西陣の姉妹

nisijin.jpg監督:吉村公三郎
出演:宮城野由美子、田中絹代、宇野重吉ほか
1952年作品

歴史ある西陣の大店が没落して離散していくさまを描く。


出演者、さらに脚本は新藤兼人、撮影宮川一夫、とあまりにも豪華で有名な面々がそろっている。
それだけでまず観ようって気にさせます。

滅びの美学というか、そういうのってありますねえ…。
そういった局面においての人間がどう行動するか、が様々で興味深い。
何よりもやはり愛人のシーンだろうか。

解体されてしまってわびしさにあふれる男と対照的に、まっすぐ前を向いて歩いていく宮城野由美子の凛とした美しい姿が印象的だった。 西陣の姉妹(1952) - goo 映画

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地上

地上

監督:吉村公三郎
出演:川口浩、野添ひとみ、香川京子
1957年作品

元豪農だった家。今は落ちぶれてしまっているが、優秀な息子に母は将来の期待を一身に寄せる。しかし息子はひょんなことから優等生から転落…

金沢が舞台。古都イメージなんだけどもこの映画ではあまりそこを前面に出したものはないようです。
失礼ながら片手間に観ていたので「ん。これで終わりか?」と思ってしまった。

タイトルがなぜ地上なのかな?と思ったら。島田清次郎という作家の同名小説が原作とのこと。
古い映画独特な?渋い色味は、銀残しという現像方法のためだそうだ。
銀残しとは現像過程で普通取り除く銀をそのまま残すことで、画面が暗く、黒が濃くなるために、独特な空気感を生む。らしい。
 

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欲望

慾望

監督:吉村公三郎
出演:水戸光子、菅原謙二、乙羽信子、北林谷栄
1953年作品

戦争未亡人のさきえ。義理の母と一緒に暮らしている。その住まいも立ち退きを迫られている。
彼女を取り巻く、新興宗教の教祖、選挙に参加する、あるいは二号さん、娼婦。さまざまな女性のあり方を乾いたタッチでおかしく描く。

不思議と元気が出ます。
図太く、したたかな生きざま。
けっして泥臭くもなく。
なかなか悲愴な状況のはずなんだがなあ。
スカパーのおかげで未知の映画に出会えて楽しい。

岡本喜八監督作品「大誘拐」でおばあちゃん役の北林谷栄。
この映画にも出ているのですが、やはりおばあちゃん?役。
この当時42歳。
確か田宮版「白い巨塔」でもおばあちゃん役。
「ビルマの竪琴」でも物売りの婆役。
いつ頃から確立されたのだろう。

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女人哀愁

女人哀愁

監督:成瀬巳喜男

ほのかな恋心をいとこに寄せているも、親の進める縁談に逆らわず嫁ぐ主人公ひろ子。
その先では…


最近この監督さんがツボにはまってて何本か見ている。
女性を描き出すのがうまいんだ。

おとなしいんだけど、人付き合いも得意じゃないけど、従順なだけでなく、主張したいことだってあるのです。
そういった感じの女性を。

さらに、わざわざ声高にいうほどでもないんだけれども、なんだかもにょっとするなあ、なんだかなあ。
日常に忘れそうな、そんな微妙な澱を逃がさないでとらえる。
観ていると「ああ~~~、うん…」って感じることがけっこうあるので、男性監督で、酒も飲まずほとんど遊ばなかったという人がどうしてここまでわかってるんだろうなあって感動する。

出戻りの小姑が、主人公ひろ子に「あなたのように結婚したら幸せなものかしら」と問うと
ひろ子は柔らかな笑みをたたえて「そういう方もいらっしゃるわ」。
なんという痛恨の一撃。身もだえしました。

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プロフィール

HN:
藤井みつる
HP:
性別:
非公開
職業:
漫画家
趣味:
映画鑑賞と寝ることと城
自己紹介:
好きな映画
……《邦画》 太陽を盗んだ男、鬼畜、穴、切腹、キッズ・リターン、しとやかな獣、蝉しぐれ、クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲、築城せよ!、MIND GAME、ジャズ大名
……《洋画》 新しき世界、ニューシネマパラダイス、リトル・ダンサー、バベットの晩餐会、暗くなるまで待って、オールド・ボーイ、グラン・トリノ、バーバー、キリクと魔女、ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ、ペーパー・ムーン、アパートの鍵貸します、トイ・ストーリー、ブラス!、デリカテッセン、ベルヴィル・ランデブー、カイロの紫のバラ、ヘドヴィグ・アンド・アグリーインチ、死刑台のエレベーター、オーケストラ!、アンプロフェット、ゴッド・ファーザー、ユージュアルサスペクツ、ドリームガールズ、ブルース・ブラザース、バグダッド・カフェ、シザーハンズ、善き人のためのソナタ、レザホアドッグス、クール・ランニング、ぼくのエリ200歳の少女、ペテン師とサギ師~だまされてリビエラ~、アーティスト

 

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