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ニューシネマパラダイス

sinema.jpg監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演・フィリップ・ノワレ、ジャック・ペランほか
ニュー・シネマ・パラダイス(1989) - goo 映画

トトはアルフレードが死んだという知らせを聞いて、故郷シチリアの村へ帰ってくる。映写技師だったアルフレードとは子供のころからのつきあい。父親がわりといってもいい存在だった。戦後間もないシチリアで、映画だけが娯楽だった村の日々が、トトの青春とともに思い出される。



大好きな映画です。
自分が繰り返して観てる回数ナンバー1だ。何回観てるかわからない。いっそDVD買えよとも思います。
悲しい事故が起きるタイミングも完璧に覚えてしまっているのに、何度見ても胸いっぱいになってしまう。というか、あの曲を聴いただけで目頭が熱くなり始める困った作用が生じる。

有名な映画なのでわざわざ自分が書くことも無さそうな気もしちゃうんですが。
あえて本筋と離れたところをいうと映画館に客としてきていた人たちの姿も注目。映画館で出会った男女が結婚して子供も連れてきたり、唾を吐いてた紳士がなにげに葬式に参列していたり。

狭い映画館=ニューシネマパラダイスで、ぎゅうぎゅうに詰まった人々が一つのスクリーンに集中してるその熱さ。お互い名前も知らなくても同じ時間を共有してた、連帯感というか、共通の想いが閉鎖した映画館を観る人の目に表れている。映画館って一人で観てても一人っきりではないのよね。いい映画を見た後は見知らぬ同士でも言葉を交わしてしまうし。

そして悪気なく子供は残酷。父は生きてると、母親は子供にも自分にも言い聞かせたかったはずなのに、真実をまっすぐ見てしまう子供は母の気持ちを打ち砕く。ああ、もう。
いかんいかん。とめどがない。とにかくいろんな「切ない」が満載。

BSで放送してたのでつい観てしまった。わたしはカットされてる編集版のほうが好きです。
完全オリジナル版は青年時代と、壮年時帰ってきてからが追加されている。トトという人物を突き詰めて、彼自身がケリをつける意味あいがオリジナル版は強い。カット版はある意味美しい思い出だけ限定といった風味がある。
オリジナル版はアルフレードイメージが複雑になってしまうし、初恋もいろいろ事情が絡んでしまう。オリジナル版は鑑賞する側がある程度年を召してからのほうが理解度高い気がします。
しかし…この監督さんはこの映画を29歳で撮ってるんだよなあ。なんでそんな面まで描けるのだろう。嘆息。

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私の中のあなた

私の中のあなた

watasi.jpg監督:ニック・カサヴェテス
出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリンほか

10月9日から公開

ガンを患っている姉、ケイト。そして姉に移植する臓器提供のために産み落とされた次女アナ。すでに何度も移植をしてきたアナだが、11歳になったある日、移植拒否を申し立てて裁判を起こす…


キャメロン・ディアスが母親役と思うと感慨深い。さすがにラブコメの女王をやるにはもう年齢的に辛いかも。
シフト第一作にですから、厳選したんだろうなと想像する。
だってこれいい映画だもの。

私は基本的に病気ネタがあまり好きでない。
それでもこの映画は観て良かった。
やたらとお涙頂戴路線でなく、あくまで普通の一家族、普通の少女を描いている。
だからジョークもとばしたりナンパしたりデートもする。当たり前だよね、普通の人間なんだから。
ファーストキスの後のセリフなんてウィットに富んでて含蓄がある。

次女アナが裁判を起こすといっても姉をきらってるわけでもない。むしろ大好き。そう、どこにでもいる、普通に愛情あふれてる家族なのだ。裁判だって実は愛なのだ。
映画では病を抱えた当人だけでなく、家族の姿も描き出す。

どう生きて、どう死を受け入れるのか。大事なことをカラッと、でも染み入るように訴えてくる。いろいろなことを考えさせられます。
観終わった後自分の人生に向かう姿勢が変わりそうだ。

ところで、誕生日はある程度の年とっちゃうと無視したくなるもので。よく考えたら生まれたことも奇跡的だけれど、毎年一年を過ごせたってことが奇跡的なことでもある。いつ何があるかわかりゃあしない。薄氷を踏むようなもんなのに、一年の時間をもてたっていうのが目出度くも有り難い。だから何歳になっても誕生日は祝ってしまおう。むしろ年を重ねるごとに盛大に!ぜひ。

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火天の城

火天の城

katen.jpg監督:田中光敏
出演:西田敏行、大竹しのぶ、椎名桔平、寺島進ほか
公開中
火天の城
戦国時代。織田信長に突然安土城建設をもうしつかる宮大工がいた。築城まで3年を要したその裏には、己の情熱を傾けた職人やその妻たちがいた…


城好きと公言するならこれは観なくてはいけないでしょう。
現在お城と聞いてイメージする、あの、天守閣を持ってる建物。
あの原形。天主のある城を初めて作ったのが信長です。ついでにシャチホコも。その後各地で作られた天守閣とも一線を画す奇天烈さです。天主に住んだのも信長だけ。
当時の宣教師もビックらこいた記録が残っています。

さて、当時の人にとっては観たことも聞いたこともないワケわからんものを作れというのがこの映画に描かれているお話。
一言で言うならパンフレットにもあるように、戦国版プロジェクトX。
私はこういう職人魂がほえるものが大好物であります。

石工、宮大工、杣など職人が登場しますが、中でも出色のエピソードは山の木を管理している杣と、宮大工のくだり。武田の領地にあるヒノキを譲ってもらいに宮大工が行くのですが、杣的にはそんなことしたら自分の首が飛ぶ。だから適当に茶を濁してやりすごすつもりだったのが、宮大工は強引に素晴らしい木を発見してしまう。何しろ伊勢神宮におさめるために大事にとってきたヒノキ。当然おいそれと簡単に渡すわけにはいかない。
しかし頑として譲らない宮大工。惚れこんでしまってる様子に杣も心動かされてある約束をしてしまう。

伊勢神宮っすよ。日本で神宮を名乗っていいと許されているのは少ない。中でも伊勢新宮は神道の大元とされていて別格。そこに収める予定のヒノキっつったら大変なことです。もちろん宮大工ならその重大さがわかってないはずない。しかし、それでも、天下一の木を天下一の城の柱にしたいと頼みこむわけで、わが子のようにヒノキを育ててきた杣がうれしくないはずがない。

職人さんといい、アスリートといい、信念をもってトップを走ってる人たちには国境なんて関係なく、わかりあえるもんがあるんですね。
これほどの力を注いで作った城もわずか3年で焼け落ちてしまうのですが…もったいない。

歴女でも戦国武将限定ではまってる方には物足りないかもしれません。合戦シーンありません。
安土城建築にかかわった職人たちの群像劇だから地味ではある。私はオープニングでぞくぞくしました。私の父が大工でして。

最近悪役を演じるようになってから特に椎名桔平さんが気になっております。かっこよかった。
水野さんにはびっくらこいた。

ところで何年か前、安土にある城郭資料館と考古学博物館に行って見たときには、模型が確か吹きぬけで作られてたと思うんだが、これは研究でもはっきりしていないの?吹き抜けがあったのか無かったのか。
勉強せねば。

作中にライトアップ安土城が登場します。実際戦国時代安土城はライトアップされて、夜の琵琶湖に映りこみ、遠目にも闇夜に浮かび上がって綺麗だったそうな。この絶景をぜひ大きいスクリーンで!

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砂と霧の家

砂と霧の家

suna.jpg監督:ヴァディム・パールマン
出演:ベン・キングスレー、ジェニファー・コネリーほか
砂と霧の家(2003) - goo 映画

夫とも別れ、失意の日々を送っている女。彼女の家が群の手違いで競売にかけられ、そこを買い取った家族と、家をめぐって争わねばならなくなる。負けられない戦いがそこにある…(?)


ああ~~~~~
どうしよう。
明日がくるのが嫌になるほどのこの絶望感。

誰もがみんなのっぴきならない事情を抱えており、みんなが心から悪い人間でもなく、逆にわかりあえてるくらいだろうに。
他にどうにかできなかったのかよう。

なんだか実際の人間関係とかも基本こんな風で、心底悪い人間同士でもないはずなのに対立しなきゃならなかったりして、はたから見てれば他に何か解決のしようがありそうなもんだと思ってしまう、そんな状況がほとんどじゃないでしょうか。
だからこの映画リアルで……辛い。
辛すぎるぞう。

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グリーンマイル

グリーンマイル

c68d0fb9.jpeg監督:フランク・ダラボン
出演:ト、ム・ハンクス。デヴィッド・モース、ボニー・ハントほか
グリーンマイル(1999) - goo 映画

死刑囚を収監している監獄の看守たちと、ある黒人死刑囚との交流。


公開当時の記憶では、いい話そうだなあといったもので、単純に心の交流だろうねって見始めたら、予想外の要素も入ってた。それが後半になるほど!といった展開をみせる。ここらへん、原作スティーブン・キングだ!
面白かった。そして勧善懲悪ですっきりもする。

ラストで自分のグリーンマイルは長すぎるとつぶやくが、それは生きてても抜け殻のようで悲しすぎる。

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プロフィール

HN:
藤井みつる
HP:
性別:
非公開
職業:
漫画家
趣味:
映画鑑賞と寝ることと城
自己紹介:
好きな映画
……《邦画》 太陽を盗んだ男、鬼畜、穴、切腹、キッズ・リターン、しとやかな獣、蝉しぐれ、クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲、築城せよ!、MIND GAME、ジャズ大名
……《洋画》 新しき世界、ニューシネマパラダイス、リトル・ダンサー、バベットの晩餐会、暗くなるまで待って、オールド・ボーイ、グラン・トリノ、バーバー、キリクと魔女、ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ、ペーパー・ムーン、アパートの鍵貸します、トイ・ストーリー、ブラス!、デリカテッセン、ベルヴィル・ランデブー、カイロの紫のバラ、ヘドヴィグ・アンド・アグリーインチ、死刑台のエレベーター、オーケストラ!、アンプロフェット、ゴッド・ファーザー、ユージュアルサスペクツ、ドリームガールズ、ブルース・ブラザース、バグダッド・カフェ、シザーハンズ、善き人のためのソナタ、レザホアドッグス、クール・ランニング、ぼくのエリ200歳の少女、ペテン師とサギ師~だまされてリビエラ~、アーティスト

 

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