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風船

huusenn.jpg監督:川島雄三
出演:森雅之、高野由美、芦川いづみ、三橋達也、北原三枝ほか
風船(1956) - goo 映画

《あらすじ》 元画家の春樹は一男一女の父である。恩師の息子と再会するが、彼は春樹の息子に自分の愛人を近づける。そのせいで息子の女は自殺未遂をはかるが、春樹の娘は兄の彼女を慕っており…


時代は感じるが金と欲での悪意が見え隠れする現代的な群像劇。
満たされてるように見える人々もどこか頼りなく、あてもなくさまよう風船のようである。その中で一輪の清廉な花のような芦川いづみがまぶしい。
個人的には川島雄三監督はもっとハジケテルほうが好きだな~。

当時の大スター競演。石原裕次郎の奥さん、北原三枝が妖しいクラブ歌手役です。エキゾチックで魅力的。助監督が今村昌平。日本映画黄金期だ!そして関係ないが主役の名前が村上春樹!

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妻よ薔薇のやうに

tumayo.jpg監督:成瀬巳喜男
出演:千葉早智子、丸山定夫、英百合子、伊藤智子ほか
all cinema→妻よ薔薇のやうに

《あらすじ》 年頃の娘、君子は母親と二人暮らし。それというのも父親が家を飛び出して、愛人と暮らしているからだ。意地ばかり張ってる母に代わって父を取り戻そうと君子は妾宅へ向かうのだが…

戦前の映画でもヒッチハイクとかインスプレーションという言葉を使ってるので驚いた。洋画は入って来てたはずだが日常でも横文字頻繁に使われていたのね。

成瀬監督に多い、男がどうもダメダメなパターン。でもカラッとしているのは客観的な娘目線だからかな。親世代と子供世代の感覚の違いってもんがこの時代からあったんだと知る。娘は母の味方ではあるけど、冷静に女としてみて母は負けだともつぶやいてしまうところがなんかリアル。

トーキーも歴史が浅いころ。声は聞きとりやすい。照明、フィルムが質が向上した過渡期のものかもしれない。白粉で真っ白にしないと顔がはっきり写らなかった頃の名残りか男も女も塗りアリ。人によって多少の濃さの違いがあるのはキャリアの違いなのかな?

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sorahe.jpg監督:手塚昌明
出演:高山侑子、渡辺大、木村佳乃、三浦友和ほか
公式サイト→空へ~救いの翼~

《あらすじ》 幼少時に航空自衛隊の救難隊に母親を救ってもらったハルカ。彼女は成長して自らも救難隊に入隊した。救難ヘリの女性操縦士として未熟ながらも懸命に努力する彼女と、取り巻く人々を描いた青春ドラマ。
原作にアニメ、コミックがある。「よみがえる空ーレスキューウイング」


かっこいいですね…女性操縦士。そして爽やかです。主演の高山侑子さん自身、偶然にもお父さんが救難隊員だったという運命的なエピソードがある。

映画は地味な印象。焦点がどこなのか観てて絞り切れず。ドラマがもっと盛り上がりそうなのにと惜しく思うも、逆にそれこそが冷静さを求められるような現場ではリアルなあり方なのかもしれない。

事故が起きた際に整備にあたってた方まで責任を感じるくだりなど、ニュース映像等でボーっと観てるだけでは考えが及ばなかった。救難隊の皆さんはすごい責任感と勇気の持ち主だ。

 

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晩菊

bankiku.jpg監督:成瀬巳喜男
出演:杉村春子、上原謙、鏑木はるな、細川ちか子ほか
晩菊(1954) - goo 映画

《あらすじ》 芸者だったキンは金貸しなどをして生計をたてていた。昔の芸者仲間にも貸していて、厳しいとりたてに評判が悪い。芸者仲間のたまえ、とみ、のぶ、も世の中にはよくありそうなことだけれども、それぞれ悩みを抱えていた。キンのところへある男がやってくるが…


貧乏ではあるけれども、満足げな表情をしてるのがトミ。
一方金はたくさん持ってるが、人間を受け付けずに孤独なキン。
この二人が特に対照的。
どっちがいい悪いと作品は言ってこない。本人が長い年月を生きてきて、振り返って充足感を得られるかどうか。納得できるかどうか。登場人物たちだけでなく観ている自分へも問われてるような気もする。

芸者さんを実際に観たことはないです。でも杉村春子を観ていると、チャキチャキして洒脱で、背筋がぴっとしてて、昔芸者さんだった女性はこういう感じなんだろうなあと思ってしまう。

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稲妻

inaduma.jpg監督:成瀬巳喜男
出演:高峰秀子、浦部粂子、三浦光子、村田知英子ほか
稲妻(1952)(1952) - goo 映画

《あらすじ》 清子は種違いの四人兄弟の末っ子。バスガイドをしている。長女は金目当ての縁談を清子にもちかけ、次女は夫の死後に愛人がいることが発覚。兄も生活がうまくいかず。縁談の相手はすぐに亭主気取りでつきまとう。いらだった清子は一人、家を出る決意をするが…


清子のいらだちが理解できる。
清子自身も青くささがあり、最後に感情を爆発させるところに集約されているのだが。
そこまでぶつけ合ってもいいものだろうかというレベルまで口論しても、縁が切れてしまわないところが家族でもある。その描き方が絶妙。距離感というのかなあ。

言いあいをしていたかと思うと、ひょいと目に入った、まったく今関係ないことを口にしたり。
現実的で、ある部分はうやむやに目をつむったり。
言葉づかいはもちろん現代とは違うのですが、今観てても、ああ、女性をよくわかってらっしゃる…。そうそう、こういう感じあるわ…。と思うことしきり。
どうしてここまで女性を描き出せるのだろうか。恐ろしい。


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プロフィール

HN:
藤井みつる
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性別:
非公開
職業:
漫画家
趣味:
映画鑑賞と寝ることと城
自己紹介:
好きな映画
……《邦画》 太陽を盗んだ男、鬼畜、穴、切腹、キッズ・リターン、しとやかな獣、蝉しぐれ、クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲、築城せよ!、MIND GAME、ジャズ大名
……《洋画》 新しき世界、ニューシネマパラダイス、リトル・ダンサー、バベットの晩餐会、暗くなるまで待って、オールド・ボーイ、グラン・トリノ、バーバー、キリクと魔女、ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ、ペーパー・ムーン、アパートの鍵貸します、トイ・ストーリー、ブラス!、デリカテッセン、ベルヴィル・ランデブー、カイロの紫のバラ、ヘドヴィグ・アンド・アグリーインチ、死刑台のエレベーター、オーケストラ!、アンプロフェット、ゴッド・ファーザー、ユージュアルサスペクツ、ドリームガールズ、ブルース・ブラザース、バグダッド・カフェ、シザーハンズ、善き人のためのソナタ、レザホアドッグス、クール・ランニング、ぼくのエリ200歳の少女、ペテン師とサギ師~だまされてリビエラ~、アーティスト

 

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