監督:成瀬巳喜男
ほのかな恋心をいとこに寄せているも、親の進める縁談に逆らわず嫁ぐ主人公ひろ子。
その先では…
最近この監督さんがツボにはまってて何本か見ている。
女性を描き出すのがうまいんだ。
おとなしいんだけど、人付き合いも得意じゃないけど、従順なだけでなく、主張したいことだってあるのです。
そういった感じの女性を。
さらに、わざわざ声高にいうほどでもないんだけれども、なんだかもにょっとするなあ、なんだかなあ。
日常に忘れそうな、そんな微妙な澱を逃がさないでとらえる。
観ていると「ああ~~~、うん…」って感じることがけっこうあるので、男性監督で、酒も飲まずほとんど遊ばなかったという人がどうしてここまでわかってるんだろうなあって感動する。
出戻りの小姑が、主人公ひろ子に「あなたのように結婚したら幸せなものかしら」と問うと
ひろ子は柔らかな笑みをたたえて「そういう方もいらっしゃるわ」。
なんという痛恨の一撃。身もだえしました。
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