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真白き富士の嶺

真白き富士の嶺

huji.jpg監督:森永健次郎
出演:芦川いずみ、吉永小百合ほか
真白き富士の嶺(1963)(1963) - goo 映画

太宰治の「葉桜と魔笛」原作。白血病で長期入院していた妹が退院した。葉山の環境の中で、はしゃぎすぎではと心配されるほど元気にしている妹をみて姉は安心していた。ある日、入院中からずっと妹に謎の男からのラブレターが届いていたことを知り、胸乱される…


みずみずしい吉永小百合がまぶしい。この段階ではまだサナギ。美しい蝶になりましたね…!

あくまで善意の人で、心配するあまりに取った行動などは、はたからみると自己満足ではないのだろうか?と思える姉の行動や、わがままにも見える妹が実は深い悩みをかかえていたりなど、刻々と変わっていく状況の中での感情の機微が細やかである。原作未読。原作からそうなのかもしれない。なぜにここまで、女の気持ちがわかるんだろう。それだけ繊細で感じ取っていたということなのか。
どれもこれも「ああ、わかる」「そうなんだよね、通じないんだよね」など共感することしきり。まるで観るこちらの隣に寄り添ってくるかのようなスタンス。

告白の内容は早いうちから予測ついてしまうのですが、まさかボートの彼がああいうことになるとは、まったく考えていなかった。
最近では聴くことのないテルミンが懐かしいです。

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こわれゆく世界の中で

こわれゆく世界の中で

koware.jpg監督:アンソニー・ミンゲラ
出演:ジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシュ、レイ・ウィンストンほか
こわれゆく世界の中で(2006) - goo 映画

建築家のウィルは、スェーデン人の内縁の妻とその連れ子と暮らしている。ウィルのオフィスに泥棒が入り、犯人を追いかけて行った先で、サラエボから息子を連れて亡命してきた女性と出会う。泥棒の母と知りながら惹かれていく…


長い時間と努力を重ねて、作りあげてきたと思ってる愛も、もろくも壊れていく音が聞こえるとき。あるんですね。
本当の愛ってなんでしょう。錯覚なのか。信じられるものなのか?
答えなんてあるのでしょうか。生きてることは=迷うことなのではないかと感じる今日この頃。

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花影

花影

hanakage.jpg監督:川島雄三
出演:池内淳子、佐野周二、有島一郎、高島忠夫ほか
花影(1961) - goo 映画

銀座のバーでつとめている主人公。彼女が自殺を決めて決行するまでを振り返る。
同名小説の映画化。


うーん。つまらなくは無い。ただ主人公をどうつかんでいいものか観終わってからも考え込んでしまった。
実在の人物をモデルにしてないだろうか。
それとも深く考えずに、昔堅気のお人よしの女がつけ込まれて、何人かの男と過ごした日々を思い出し絶望したってことでいいのか。

一言でいえば、主人公はだめンズウォーカーなんです。けれど観ているとどの男のことも実は好きでも無かったような。基本的に、親友とその情夫が勧めるから、あるいは反対するからくっついたり別れてるように思える。

さらにその親友の情夫とは友達以上恋人未満で、実はお互い想いあってるようだ。しかし双方自分を低く評価してるから行動に出られない。だいたいヒロインにとって生きることも死ぬことも大差無いようだ。
自分のことは特段好きでもないが嫌いではなさそう。ちょっときれいな虫とか蝶々のような感覚だろうか。
生きることに絶望…するにももともと希望をもってるのかどうか。
引導を渡す大きな要因は、男たちよりもむしろ、価値や道筋をはっきり示してくれてた親友が病に倒れたことだったりするのでは?深読みしすぎかなあ。

あるいは原作ではまた少し人物像が異なってるのだろうか。映画監督の川島雄三は難病をかかえていて、肺を病んで若くして亡くなった。独特の人生観がただようというのが定評だ。

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4分間のピアニスト

4分間のピアニスト

4hun.jpg監督:クリス・クラウス
出演:ハンナー・ヘルツシュプリング、モニカ・ブライブトロイほか
4分間のピアニスト(2006) - goo 映画

獄中にピアノを教えに行ってる教師。新しく入った囚人はたぐいまれなるピアノの才能と凶暴さをもっていた。条件付きでピアノを教え、コンクールにも出場して交流を深めていくのだが…


陰鬱ではある。
でも、常に崖っぷちに立って下を覗き込んでるような、この緊張感はなんだろう。
冒頭から10分くらいに、目をそむけたくなるような暴力シーン。それにかぶせてピアノのこういう曲を流すのかと観ていたら、それが囚人の弾いている音だったという時の衝撃。激流のごとく内臓も何もかもたたきつけてるようなその場面に鳥肌でした。

暴力と嫉妬と裏切り渦巻く刑務所で、研ぎ澄まされていく音がこちらにも刺さりそうです。
愛を失った女と自由を失った女。彼女たちに残されてるのはピアノだけ。
このぎりぎり感を味わってみてくださいませ。

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ぜんぶ、フィデルのせい

ぜんぶ、フィデルのせい

zennbu.jpg監督:ジュリー・ガブラス
出演:ニナ・ケルヴァル、ジュリー・ドパルデューほか
シネマトゥデイ


70年代のパリ。共産主義者の伯父が死んだことをきっかけに、アンナの両親もめざめてチリへ渡ってしまう。帰ってきたら、狭い家に引っ越さなきゃならないし、仲良しのお手伝いはやめさせられるし、いつもわけわかんない人がいっぱいいるし、親友とも喧嘩しちゃった。ぜんぶフィデル・カストロのせいなの?


反政府運動とかチリでの歴史とか共産主義の主張とか、小難しそうなことがいろいろ出てきますが、基本9歳の女の子目線なので完全に理解できなくてもイケル。
この主人公アンナがまた、仏頂面でかわいくてたまらないのだ。

しかしアンナは賢くて、共産思考を説明されれば質問して逆に大人を困らせたり、カトリック教育の疑問点をついたりする。完全に問いに答えられる大人がいるんだろうか?ただ大人のいうことをハイハイ聞いてるだけの子ではない。自分の頭で考えて、自分の言葉できちんと話せる女の子。魅力的です。

のほほんと暮らしてる自分にはどちらの主張もピンとこなかったんだ。ともかく、発煙筒投げつけられるよなデモに子供連れていくのはどうかと思う。
何事も子供はまっさらの状態でいるところに、差別だの、いさかいだの、刷り込むのはまわりの大人たちだってのは良くわかる。出来ることなら子供には世の中のきれいなことだけ知ってほしいもんだなあ。

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プロフィール

HN:
藤井みつる
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性別:
非公開
職業:
漫画家
趣味:
映画鑑賞と寝ることと城
自己紹介:
好きな映画
……《邦画》 太陽を盗んだ男、鬼畜、穴、切腹、キッズ・リターン、しとやかな獣、蝉しぐれ、クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲、築城せよ!、MIND GAME、ジャズ大名
……《洋画》 新しき世界、ニューシネマパラダイス、リトル・ダンサー、バベットの晩餐会、暗くなるまで待って、オールド・ボーイ、グラン・トリノ、バーバー、キリクと魔女、ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ、ペーパー・ムーン、アパートの鍵貸します、トイ・ストーリー、ブラス!、デリカテッセン、ベルヴィル・ランデブー、カイロの紫のバラ、ヘドヴィグ・アンド・アグリーインチ、死刑台のエレベーター、オーケストラ!、アンプロフェット、ゴッド・ファーザー、ユージュアルサスペクツ、ドリームガールズ、ブルース・ブラザース、バグダッド・カフェ、シザーハンズ、善き人のためのソナタ、レザホアドッグス、クール・ランニング、ぼくのエリ200歳の少女、ペテン師とサギ師~だまされてリビエラ~、アーティスト

 

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