出演:ヴェロニカ・ダゴスティーノ、ジェラール・ジュニョ、マルチェロ・マッツアレーラほか
allcinema→「運命に逆らったシチリアの少女」
≪あらすじ≫80年代、イタリア、シチリア。警察はほとんど権限をもたず。マフィアがすべてを取り仕切っていた。少女は優しい父が大好きだったが、マフィアのボスだった父は目の前で暗殺される。それが叔父の仕業と知り、少女と兄は復讐を誓うも、兄も数年後に返り討ちにあう。身の危険にさらされた少女はある決断をするのだが・・・
事実をもとにした映画。
あくまで主人公の少女の視点で進んでいくので、最初は全貌がよくわからず。成長に伴って、叔父の仕業で自分たちが危ういと悟っていく。
信じていた叔父に裏切られ、母は戦いを放棄する。彼女を理解して共に戦おうとする者は周りにいない。
少女のキャラクターがかたくなで、見ててなかなか共感しにくいのですが、上記のことを思えば仕方ない。
後世からみれば町の者みんなが立ち上がればマフィアだって排除できるんじゃないか、と簡単に思ってしまいそうだ。しかし実際に支配される側に慣れてしまうと、なかなかその状況を抜け出そうとしないばかりか、解放しようと考えるものを異端扱いしてしまうってこともあるだろう。
そんななかで奮い立った少女は稀有な存在だ。
当初は父の仇を討ちたい、が動機だったが、大好きだった父も嫌悪するマフィアだったと認めざるを得ないのが、きっと少女にとって一番つらいことだったんじゃないか。そこを乗り越え、理不尽な暴力に対抗するんだと考えが変わっていったのは彼女自身の成長だった。辛い選択だけれど自分で運命を選んだ人は堂々としてて後悔がない。
できることなら島の人々が立ち上がってくれるのがもう少し早かったら・・・。過ぎたことを今言っても詮無いな。
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