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ヴィヨンの妻

ヴィヨンの妻

viyon.jpg公開中

監督:根岸吉太郎
出演:松たか子、浅野忠信、広末涼子、室井滋、伊武雅人ほか

ヴィヨンの妻 公式サイト


人気小説家、大谷の妻さち。一人息子のいるこの夫婦。夫は酒と女にだらしなく、常に妻は頭を下げて歩く日々。夫の借金の返済のために小料理屋で働き出したさちに横恋慕す男。またはさちが昔想いを寄せていた男が現れる。夫大谷は気に病んで…


日本アカデミー獲るんじゃないかな。あるいは作品賞、脚本賞、監督賞、主演女優賞。いきそう。かけてみせるぜ3000点。
すでにモントリオールで監督賞を受賞しています。
面白い、よい映画だった。

良いといっても心温まる方向では決してない。

浅野忠信演じる、わざと原作者太宰をもじったような小説家が、心から腹がたつ!
いったい何度スクリーンに物を投げつけたくなったかわからないほどだ。
こうも、ダメな男が!!!なぜに、こうも美しくできた嫁をもらって、さらにそこらじゅうで愛人をこさえたりしているのか!!!!!
ほんっとにダメな男だ!最低だ!!!!

こうまで思わせるのも、逆にそれだけ生き生きと人間を描き出しているということでもある。
腹が立っても虚しくなっても、この映画はだからこそいい作品だと思うのです。

松たか子はこんなにも美しい人だったのかと再認識した。
30代にのったこともいいしっとりさが加わって女っぷりがあがっています。
絶対夫がこの生活費を酒代に持ち出してしまうだろうとわかっていて、あえて奪われるように置く妻。夫が泥棒を働くよりはいいと。この場面には妻の哀しすぎる思考が目頭にきてしまった。
その昔女性が社会進出できなかった時代は誠実な男を捕まえることが死活問題だったのですね。

ずいぶんむかついたものではありますが、途中から、この二人は夫婦の形を借りた母と息子の関係なのだと思ってからは納得がいった。息子は自分が愛されてるか不安で、次から次へと試すようなことを繰り返す。その都度母=妻は傷つくのだが、息子=夫は自分の辛さばかりを訴える。息子は好き勝手にしてる割に、相手には母なのだから絶対裏切らないだろう、自分を捨ててはいけないのだと主張するわけだ。思春期前の子供…。ふう。
でも映画はオススメです。

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プロフィール

HN:
藤井みつる
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性別:
非公開
職業:
漫画家
趣味:
映画鑑賞と寝ることと城
自己紹介:
好きな映画
……《邦画》 太陽を盗んだ男、鬼畜、穴、切腹、キッズ・リターン、しとやかな獣、蝉しぐれ、クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲、築城せよ!、MIND GAME、ジャズ大名
……《洋画》 新しき世界、ニューシネマパラダイス、リトル・ダンサー、バベットの晩餐会、暗くなるまで待って、オールド・ボーイ、グラン・トリノ、バーバー、キリクと魔女、ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ、ペーパー・ムーン、アパートの鍵貸します、トイ・ストーリー、ブラス!、デリカテッセン、ベルヴィル・ランデブー、カイロの紫のバラ、ヘドヴィグ・アンド・アグリーインチ、死刑台のエレベーター、オーケストラ!、アンプロフェット、ゴッド・ファーザー、ユージュアルサスペクツ、ドリームガールズ、ブルース・ブラザース、バグダッド・カフェ、シザーハンズ、善き人のためのソナタ、レザホアドッグス、クール・ランニング、ぼくのエリ200歳の少女、ペテン師とサギ師~だまされてリビエラ~、アーティスト

 

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