監督サイモン・カーティス 出演:ヘレン・ミレン、ライアン・レイノルズ、ダニエル・ブリュールほか 公式サイト→「黄金のアデーレ 名画の帰還」 公開中 [あらすじ]世界的に有名な、オーストリアの美術館に所蔵されている、クリムト作の「黄金の女」。それはかつて第二次大戦中に不法に搾取されたものだった。今世紀になって所有者家族の唯一の生存者が返還を求めるのだが。。 |
クリムトの絵は好きだったものの、その背景まではよく覚えていませんで、こんなことがあったとは。
オーストリアから国外へどうにか逃亡した女性、現在はおばあちゃんになってるマリア。
彼女が子供のころに一緒に住んでいた美しい叔母が絵のモデル。
しかし戦後そのモデルが誰かさえごまかされ、オーストリアの至宝となった絵ではありますが
彼女にとってはいつまでも敬愛する叔母なのです。
マリアが茶目っ気ある品のいいおばあちゃんでして、依頼を受けて調停に乗り出す若輩弁護士とのタッグがとても良い。
明るさの影に、迫害されたユダヤの生き残りとしての禍根を抱き続けてきたマリア。それは何十年たったからといって消えるものではなく。
たった一枚の絵とはいえ、それは彼女が置き去りにしてきた家族であり、また、家族の歴史、そして幸せな時代の象徴であったのです。
最後に彼女がドイツ語で語るようになった時に、その意味するものを思うと涙が止まりませんでした。
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