監督:タル・ベーラ
出演:ミロスラヴ・クロボット、ティルダ・スウィントン、ボーク・エリカほか
倫敦から来た男 - goo 映画
《あらすじ》 鉄道員のマロワンはある夜殺人を目撃する。被害者が落とした鞄をマロワンが拾ってみると、中には大金が入っていた。彼はそれを警察に届けることも無く普通に過ごそうとするが、彼に付きまとう男もいて…
ミニシアター、アート系の作品。大金を拾ったことから転落していく凡庸な男を描き出す。
シャープなモノクロの画面がカッコイイ。びっくりするほど長回しのワンカットを多用する監督さんで有名だそうだ。
なにしろ、セリフらしいセリフが映画が始まってから30分は過ぎないと出てこない。機器の音声が壊れたかな?とちょっと不安になった。ストーリーはたいして入り組んでないのでわかるけれども、ストーリーよりも世界観や作家性を味わうタイプのものな気がします。
ほとんど心情の説明はなく、登場人物の関係性もすぐにはわからない不親切さ。それゆえの不安感か、常にスクリーンが緊張感満載で張りつめている。独特の目線が奇妙な距離感を生み出している。同じ村の住人で顔か名前くらいは知ってるけど直接は関わりない。でもその人のことはなんでも見えて知ってる……。そんな視点のカメラ位置で、この感覚は見てみないことにはちょっと説明しがたい。