監督:アミン・マタルカ
出演:ナディム・サワルハ、ラナ・スルターン、フセイン・アッソースほか
ヨルダン映画 未DVD? サンダンス映画祭では観客賞受賞作品。BSで鑑賞。
《あらすじ》 妻も子も亡くした老人、ライードは空港の清掃員。ある日捨てられた機長の帽子を拾ったことから、近所の子供たちにパイロットと勘違いされ、すっかりヒーローになってしまう。しかし彼の隣に住む一家の長男=ムラードはライードの正体を知っていて…
途中までは老人と子供たちの心温まるファンタジー的な話かと思ってると、徐々に社会が抱えている問題も浮き彫りに。ヨルダンでは初めてDVが登場した映画だそうだ。
私自身ほとんどヨルダンについて知識がなく、日常の場面でも「へえ~」と思うことの連続でした。海外の人がいまだに日本には侍がいる!と思ってるかのような認識とほぼ同じレベルなのですよ…私の持ってるアラブ周辺についてのイメージは。
だから作中に女性機長が出てきたり、ノースリーブの若い女性が出てきたりしたのには驚いたのでした。目からウロコ。自分の勉強不足を再認識。
やはり男の子にとって機長はヒーローなんですね。その後色々あっても、ライード老人が素晴らしい人物なので、まさに彼こそヒーローなんじゃないかと改めて思えるのだ。
物語は哀しい展開を迎えていくが、未来につながる展望に、暗い気分を抱えて見終わることもなかった。
一番最初のカットが印象的で美しい。綺麗なイメージカットだなあ…と思ってたら、ラストにつながるものだった。なるほど。構成だったのか。