監督:ヤン・ヨンヒ 出演:安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュン、宮崎美子、津壽山正種ほか →allcinema「かぞくのくに」 [あらすじ]在日朝鮮人が北朝鮮に帰国移住する帰国事業で、家族で一人だけ北朝鮮へ渡っていた兄。それから25年ぶりに脳腫瘍の手術のために、日本へ一時戻ってきた・・・ |
あまりメジャーにはならないかもしれないけど、観て損はない。
多くを語るでもなく、ただ歩いているだけなのに、長く日本を離れていて一人だけ浮いてしまってる浮遊感が、映像を観てるだけで伝わってくる。それが母親の姿を見たときに着地する。
もう最初のほうのその場面で、これはすごい監督さんだなと感じました。
兄には監視がついているし、また、長く離れていたぎこちなさもあって、家族はなかなか打ち解ける感じにはすぐになりません。兄と両親のわだかまりもあります。
思ったことをぽんぽん言う妹と、言わない兄との対比で、この二人の日常の感覚が全く違うのだと思い知らされる。
兄は下手なことを言ったら自分だけでなく、周りの人までも危険な目に合わされる可能性があるために、いいことも悪いことも、考えたことはほとんど口に出せない。それは兄がとても優しい人だからこそである。
彼がかかえるそんな事情が、言葉で説明しなくても伝わってきて涙が止まらなくなってしまう。
機会がありましたら、ぜひ、観てください。
PR